2009年10月10日土曜日

「キッザニア」と「私のしごと館」から見えてくる国家の浮沈

久々の硬いタイトルに自身も硬くなっているhisaです。

COM LABの願いとして掲げている「現実社会と相互に関係を持ちながら、結果として現実社会に貢献・還元できる事案を創造していく、オープンで、アクセシビリティな仮想空間であって欲しい」が、具体化している例は、個人から企業・教育機関まで、様々な形で実現され、加えて個人や企業、教育機関の目的をも達成しているケースが多くあります。

以前ここで紹介したセカンドライフ内でのNASAの取り組みもその一つで、子どもたちに科学に興味を持ってもらい、一人でも多くの優秀な科学者になってもらいたいと願い行われている学習プログラムがあります。また、NASAにとっては将来優秀な科学者を確保するという目的も持っています。

NASAの学習プログラム担当の方にお会いしたとき、オバマ政権に代わったとき、国からのサポートがどうなるか心配をしたが、継続的なサポートが受けれることとなりホッとしているとのことでした。そのNASAのチームがリアル社会で行った活動の一つがニュースとなっていましたので紹介します。
NASA-HP:White House to Host Science and Astronomy Night for Students

------CNN ワシントン発--------

子供たちに科学技術への興味を持ち続けてもらおうと、米ホワイトハウスで7日夜、中学生140人を招いてオバマ大統領主催の天体観測会が開かれた。
中学生を招待したのは、この年代で科学や技術に対する興味を失ってしまう生徒が多いためだという。ホワイトハウスの南庭にはエアドームや20台あまりの天体望遠鏡を設置し、地元ワシントンDCとバージニア州の中学校から招かれた生徒たちが、プラネタリウムを楽しんだり星や月を観測。ガイド役としてハッブル天文台の科学者や元宇宙飛行士のサリー・ライドさんも参加した。
ライドさんは「生徒たちに科学の素晴らしさを再認識してもらい、高校や大学へ行っても興味を持ち続けてもらうきっかけになれば」と話している。
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このようなニュースを知るといろいろと考えさせられます。日本では「私のしごと館」と「キッザニア」に象徴されるように、企業は社員の家族を招待し、父親の働く姿を見せる機会を家族に提供したり、工場などの施設見学のプログラムを提供したりと、子どもたちに社会教育の場、社会との接点を提供しています。また、大学などに企業の様々な分野のスペシャリストを講師として提供したり、近年では小学校や中学校にまで、企業が特別講義のプログラムを提供しています。国家は我々に何をしてくれているのでしょうか、人を育むという点では、私には何も見えてきません。

たしかに企業は人材確保、企業・製品の認知・理解の促進、企業・製品ブランドの向上などのリターンを求めています。現在、そのことに嫌悪感を感じる人はわずかではないでしょうか。これらの企業の取り組みは、プログラムを提供する企業の製品やサービスなどを深く知ることで、同様の製品の良し悪しを判断する目が育まれます。これは、プログラムを提供する企業が、他社に負けない良い製品やサービスを提供し続けるとの決意があることだと考えられますし、人材確保については、我々の生活を豊かにする素晴らしい製品を生み出したり、科学、医療、環境などのさまざまな分野の発展に繋がります。つまり、企業が優秀な人材の活躍の場も提供していると考えれば良いのではと思います。

1ヶ月前「教育予算 日本はOECD28カ国中最低の3.4%」の調査結果が発表されました。結構衝撃的なニュースで、1ヶ月たったいまでも、テレビなのでは引用されれています。積極的に子どもを育むことにかかわる国とそうでない日本。この差は数十年後、国力の大きな差となって国家の浮沈にかかわることとなるでしょう。

セカンドライフが、これらの課題解決に貢献できることは多いと思います。一部の国会議員の方は、セカンドライフ内でも活動されていますが、自身のためだけではなく、NASAのような活動をセカンドライフ内で推進することにも力を発揮してもらいたいものですね。

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