2009年5月6日水曜日

セカンドライフに関するインタビュー調査

GW中は開店休業状態のCOM LAB。ジョンソン所長もどこにいるのやら・・・。
他の研究員もそれぞれのGWを楽しんでいるのでしょうね。

私は帰省しており、帰省中に会った親戚・友人・知人問わず、三次元仮想空間について聞いてみました。
サンプルは以下の3グループ、18人。

女子大生3人(英語まぁまぁ、PCは使える)
社会人12人(30歳~58歳/内9人は英語堪能、PCは全員堪能)
65歳以上3人(PC操作が出来、英語も堪能)

質問については、話の流れでいろいろ聞き、その回答を要約すると以下の通りでした。

●三次元仮想空間についての認知は100%であったが、それがセカンドライフであるかは定かではない。新聞や雑誌、TVニュースなどで知ったのが殆ど
●ユーザー登録しているのは、女子大生1人、社会人1人の2名
女子大生:高校生の時に登録(2年前)し、その時は少し楽しんだが、今は全くログインしていない
社会人:1年ほど前に友人宅でユーザー登録したが、それっきり
●セカンドライフの特性について話したところ、新聞や雑誌などで見聞きした三次元仮想空間は、たぶんセカンドライフであろうとの回答
●三次元仮想世界に対する理解の深さは、差はあるものの基本的に浅い
●セカンドライフでできることについて概要を説明すると、最も興味を示し質問も多くでたのは以外にも65歳以上グループ

インタビューの中で特に詳しく説明したのは、現実社会と相互に関係を持ちながら、現実社会でのさまざまな課題の解決や、仮想世界で生まれた活動が現実社会に還元されていることについて話しました。
特に、女子大生と社会人のグループでは、三次元仮想世界はインターネット上の遊び場という認識で、新たなツールとして社会に貢献できる可能性については大変イメージしにくいようでした。
特にインターネット上でアバター同士が、同じ空間で時を共有する同時性について、その特性が従来のインターネット上のコミュニケーションと異なり、それゆえさまざな社会的試みがされていることについいて非常に理解しにくいようでした。しかし社会人の数名については、以下と同様の関心の高さを示しました。
仮想空間の可能性を最も理解し、体験してみたいとの発言があったのは65歳以上のグループでした。社会貢献活動、教育、ビジネスの効率化など、現実社会と直接結びつく可能性に対し、大変興味を示しました。多分3つのグループの中で、最も社会への関心が高いのでしょう。(3人とも自宅にPCを所有していましたが、セカンドライフを利用するにはスペック的に厳しそうで、「興味はあるけど、PCを買い替えてまでは・・・」とのことでした。残念。)

女子大生や社会人では、他のインターネット上のコミュニケーション・サービスについては、利用・理解していました。社会人グループはリンデンラボ社の企業としての収益構造などについての質問が多く、女子大生グループでは関心が非常に低く、携帯(メール含む)やゲーム(PSP・任天堂DS)、SNSの利用で今のところ十分とのことでした。社会人グループ、女子大生グループで共通して言えることは、何らかのサークルや活動で、SNSやGoogleグループなどで活用する以外、インターネット上のコミュニケーション・サービスについて、進んで利用することはないようでした。

GW休暇中の「遊びのついでのインタビュー調査」の結果、セカンドライフのような自由度が高く、現実社会と連携を図りながら、そのサービスを利用することで、個人やそのグループ、教育機関、企業など現実社会だけでは成し得なかったことを現実のものとしたり、また発展させることが可能であることを認知・理解させることは大変難しく、ましてや仮想空間サービスと言っても多岐にわたる今、セカンドライフのように現実社会と変わらない社会性が、三次元仮想世界に存在し、発展していくであろうことなど、彼らには想像もつかないようで、遠い未来の話にしか聞こえなかったようです。一般的にも彼らと同じような認識、考えなんでしょう。

PCが企業に導入されネットワークで繋がれたとき、当時勤めていた会社では、PCの利用促進のため、「本社会議で使う資料などは、全てPC(エクセルやワード)で作成すること」、「作成した資料などはメールにて事前に本社に送ること」と厳命が下り、それまで使用していたワープロでの資料作成も不可といわれたので、皆、懸命にPCを学んだことを思い出します。
昨年末より、企業独自の閉じられた仮想空間を構築できる技術も発表されるようになり、今後、企業や教育機関での利用が活発化したとき、PCが導入された当時のような厳命が下り、その有用性が理解されないと、社会性の高い仮想空間の発展は難しいのでしょうか。

遊びついでのインタビュー調査をレポートしてみて、三次元仮想空間、特にセカンドライフについて認知・理解させ、利用を促進させる難しさをつくづく感じたGWでした。

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